〜必要書類・記入のコツ・スケジュール管理までしっかり解説〜
はじめに:不安を「準備」で乗り越える
「フランスでワーホリをしてみたい!」
そう思っても、最初の壁となるのがワーキングホリデービザの申請ではないでしょうか?
フランスは他国に比べて書類の自由度が高く、「申請書」や「動機・計画書」「履歴書」など、自分の言葉でしっかり書く必要のある項目が多くあります。その分、“人柄や目的が見える申請” が重視されているとも言えます。
この記事では、フランスのワーホリビザ申請に必要な書類とその書き方、スケジュール管理のコツを初心者向けに丁寧に解説します。
「何を、いつまでに、どう書けばいいか」を把握し、自信を持って申請に臨みましょう!
ビザ申請の主な流れ
まずは全体の流れを簡単に確認しておきましょう。これを知っておくだけで、準備の見通しがぐっと楽になります。
- 渡航時期の決定とスケジュール確認(目安:渡航の6か月前〜) ↳ 出発時期や滞在都市を決める。書類準備のスケジュールを把握。
- 必要書類の準備(渡航の5〜6か月前) ↳ 動機・計画書や履歴書、残高証明などを順次揃える。航空券や保険を手配する。
- 大使館のビザ申請予約(渡航の4〜5か月前) ↳ オンラインで予約する。
- ビザ申請・書類提出(渡航の2〜3か月前) ↳ 東京のフランス大使館にて書類提出。
- ビザ受領(ビザ申請の1〜3週間後) ↳ 問題なければパスポートにビザが貼られた状態で返送される。
- 渡航前準備 ↳ 語学学校への申請や仕事探し、荷造りや手続きなどの準備。
1. ワーキングホリデービザの必要書類一覧
フランスのワーキングホリデービザ申請には、いくつかの基本書類が必要です。ただし、他国とは異なり、フランスでは提出不要な書類もあるので、正確な情報をもとに準備を進めましょう。
以下に、2025年現在、実際に提出が必要なものと、提出が不要なものを明記した一覧を紹介します。基本的にフランス語または英語での提出となるため、細かい部分にも注意が必要です。
提出が必要な書類
難易度 | 書類名 | 内容・ポイント |
---|---|---|
★☆☆ | 1. 申請チェックリスト | 一応、提出は義務 |
★★☆ | 2. 長期ビザ申請書 | 所定の用紙に記入 |
★☆☆ | 3. 証明写真(パスポートサイズ) | 所定サイズ・背景白のもの(ビザ申請用) |
★☆☆ | 4. パスポート | 渡航時に有効期限が1年3ヶ月以上残っているもの。ビザ用に白紙ページが2ページ以上必要。 |
★★★ | 5. 申請動機作文 | 渡航の目的・フランスでの生活計画などを所定の用紙にまとめたもの(英語またはフランス語) |
★★★ | 6-1. 滞在中の計画書 | 行う活動を月ごとまたは数ヶ月ごとにまとめる(英語またはフランス語) |
★★★ | 6-2. 履歴書 | 学歴・職歴・スキルなどをまとめる(英語またはフランス語) |
★★☆ | 7. 残高証明 | 3100ユーロ(約54万円)以上の預金残高証明書(申請日から1か月以内の発行) |
★☆☆ | 8. 宣誓書 | 所定の用紙に記入 |
★★☆ | 9. 健康診断書 | 申請者が健康であることが明記されており、申請日から1か月以内に医師が作成したもの |
★★☆ | 10. 海外旅行保険加入証明書 | 滞在期間(1年)をカバーする病気・けが・入院に対応する保険の加入証明 |
★☆☆ | レターパックプラス(赤) | 自分の氏名・住所を明記 |
※すべての書類の提出が必須。難易度が高いものは作成や準備に時間がかかるため、事前に時間をとって取りかかる。
提出が不要なもの(2025年時点)
一部のサイトや体験談、他国のワーホリ申請で見かける以下の書類については、在日フランス大使館公式情報では提出不要とされています(2025年7月現在)。
書類 | 理由・備考 |
---|---|
滞在先住居証明 | フランスでの滞在先が未定でもOK。現地に着いてから探して全く問題ありません。 |
航空券(片道または往復の予約証明) | ビザ申請時点で購入・予約の必要はなし。取得後に手配すればOK。ただ、ビザの期間を入国日に設定するのがベストなため、行きの航空券は申請前に取得していることが望ましい。 |
ビザ申請料 | フランスのワーキングホリデービザの申請は無料です。ただし、書類の郵送費や保険加入費など、周辺費用はかかります。 |
詳細や最新の情報は在日フランス大使館の公式サイトを確認
2. 各書類の書き方・準備のポイント
ここでは、フランス・ワーキングホリデービザ申請に必要な各書類について、実際の記入・準備方法やポイントを一つずつ丁寧に解説していきます。
1. 申請チェックリスト
- 難易度:★☆☆
- フランス大使館の公式サイトから最新版をダウンロードし、印刷。
- チェック項目に ✔️ をつけて、自分がすべての必要書類を揃えていることを示すもの。
→ 在日フランス大使館ビザ申請ページ(外部リンク)
2. 長期ビザ申請書
- 難易度:★★☆
- フランス政府の公式ビザ申請ポータルサイト上で事前に登録。当日は印刷したものを提出。
- 日本語非対応のサイトのため、申請時は要確認。
- 登録手順
- アカウント作成とログイン
- 申請内容の入力
- 申請書のダウンロードと印刷
- フォーム内の「ビザの種類」には「Working Holiday (Vacances-Travail)」を選択。
- 滞在期間は「12 months」、滞在目的は「観光・文化・語学交流」などと記載して問題ありません。
🔗 フランス政府の公式ビザ申請ポータルサイト(外部リンク、日本語非対応)
記入例のアドバイス:
- 滞在先住所は未定なら「To be determined」や「Unspecified」と記入しても可。
- 緊急連絡先には日本の家族や友人を記載してOK。
3. 証明写真(パスポートサイズ)
- 難易度:★☆☆
- サイズは35mm × 45mmのパスポートサイズ、顔の大きさが30mm以上のもの。
- 正面、無帽、背景は薄い色(白がベスト)、スキャンした写真は不可。
- 6か月以内に撮影したもの。スピード写真でもOK。
- 印刷した「2.長期ビザ申請書」の写真欄に糊付けする。
→予備を何枚か用意しておくと、他の手続きにも使えます。
4. パスポート
- 難易度:★☆☆
- 10年以内に発効され、有効期限が少なくともビザ期限最終日(入国日の丸1年後)+3か月が必要。
- 白紙ページが2ページ以上ある。
- 原本と合わせて、パスポートの顔写真ページのコピー1枚も提出。
5. 申請動機作文
- 難易度:★★★
- 専用フォーマットに、フランス語または英語で記述。
- 申請理由は以下のような構成で記述する。
- なぜフランスなのか
- ワーキングホリデーで挑戦したいこと
- これまでの人生との関連(仕事・趣味・興味など)
- 滞在を通じて得たいこと、帰国後の展望など
6-1. 滞在中の計画書
- 難易度:★★★
- フリーフォーマットにフランス語または英語で記述。A4用紙1枚にまとめる。
- 滞在中にどんな予定があるかを月単位または季節単位でざっくり記す。
- 例:最初の3か月は語学学校、その後カフェでの仕事を希望、国内外旅行にも行きたい等。
- 地域名や活動内容をできるだけ具体的に書くと良い。
6-2. 履歴書(CV)
- 難易度:★★★
- フォーマットはフランス式(ヨーロッパ式)が望ましい。
- フランス語または英語で記述。A4用紙1枚にまとめる。
- 学歴、職歴、語学スキル、資格、趣味などを簡潔に。
POINT:
- 学歴や職歴に空白があっても問題なし。
- 海外経験や接客経験があれば強調しても◎
7. 銀行の残高証明
- 難易度:★★☆
- 3,100ユーロ以上(約53万円以上)の残高があることを証明する銀行書類。
- 申請日から逆算して1か月以内に発行されたもの。フランス語または英語表記で。銀行の印鑑または担当者サイン付き。
- 帰国の航空券を購入していない場合、その分も含めた額以上とする。
8. 宣誓書
- 難易度:★☆☆
- 「犯罪歴がないこと」「帰国の意思があること」「他のビザに切り替えないこと」などを誓約する文書。
- 専用フォーマットを印刷して、黒のボールペンで記入。
- フランス語で記入する。
- 署名日は実際に署名した日、署名はパスポートと同様のもの(もし日本語であれば日本語)を記入。
9. 健康診断書
- 難易度:★★☆
- 健康診断を受け入れている病院で受診し、医師の押印がある診断書を提出する。
- 申請日から逆算して1か月以内に発行されたもの。日本語でも英語でも可能。
- 病院によって費用は異なり、1,000円〜10,000円と幅があるため、十分に確認してから予約する。また、保険適応外のため、すべて自費診療となる。
- 予約の段階で、診断書を発行してくれることを確認する。
- 指定はないが、以下のような内容が記載されていることが望ましい:
- 全体的な健康状態
- 感染症の有無(特に結核など)
- 渡航に問題がない旨
10. 海外旅行保険加入証明書
- 難易度:★★☆
- 1年間のフランス滞在をすべてカバーすることが必須条件。
- 病気・けが・入院に対応し、入国日から1年間有効であることを確認。
- 証明書は英語またはフランス語で。契約書類を印刷して提出。
留学生向け・ワーホリ向けの保険商品を扱う保険会社に相談するとスムーズです。
レターパックプラス(赤)
- 難易度:★☆☆
- 申請結果のパスポート返送用。
- 600円で郵便局やコンビニで購入可能。
- 宛先に自分の名前・住所・電話番号を記入し、そのまま提出。追跡シールは付けたまま。
3. ビザ申請スケジュールの立て方と注意点
● ビザ申請のタイミング
- 申請できるのは、出発の3か月前から。遅くても出国予定の1ヶ月前までに行う。
- 書類作成や申請予約は、計画的に動くのがベスト
● 申請から出発までの目安スケジュール
時期(目安) | やること |
---|---|
渡航6か月前〜 | 出発時期・滞在都市を検討 |
渡航3〜5か月前 | 必要書類の準備/ビザ申請予約/航空券・保険の手配など |
渡航2〜3か月前 | 大使館でビザ申請 |
渡航1〜2か月前 | ビザ取得/荷造りや手続きなど出発準備 |
● 注意点とアドバイス
- 書類は全てコピーを取っておくこと!(渡仏後の手続きで再提出を求められることあり)
- フランス語が不安な人は英語で作成
- 申請書類はできるだけ誤字脱字なく、整った印象で提出を
- 東京にしか大使館がないため、地方在住者は交通計画が必須(遠方の場合、面接日に合わせて宿泊も検討)
- 口座残高証明は「本人名義」のものを用意すること
- 航空券・語学学校は「支払い前の見積書」でもOKな場合あり
● 渡航準備で役立つ小ネタ
おわりに:準備は大変。でも、出発後の自分を想像してみて
ワーホリビザの申請は、確かにやることが多くて面倒に思えるかもしれません。
でも、丁寧に一つひとつ進めていけば、必ず道は開けます。大切なのは「完璧さ」ではなく、「真剣さと誠実さ」。
書類を揃えることは、フランスでの1年をどう過ごすかを見つめ直す機会にもなります。
未来の自分にワクワクしながら、ぜひ一歩ずつ進めてみてくださいね。