働きながら、暮らしながら、フランスをまるごと体験できる1年
海外で生活してみたい、語学を学びながら働いてみたい、海外の文化にどっぷり浸かってみたい――
そんな願いを叶えてくれるのが「ワーキングホリデー」(ワーホリ)です。
ワーホリは、日本と協定を結んでいる国で、一定期間(通常1年間、国によっては2年間)滞在し、休暇を楽しみながら、その間の滞在費を補うために就労を許可される制度です。
フランスは、ヨーロッパの中でも特にワーホリがしやすい国のひとつ。日本とフランスの間には、18歳〜30歳までの若者が最長1年間滞在し、就労・就学・観光などを自由に楽しめる制度が用意されています。
このページでは、フランスのワーキングホリデーで実際に「何ができるのか?」「どんな魅力があるのか?」「どのくらいお金がかかるのか?」といったポイントを、最新の2025年情報とともに分かりやすく解説します。
「興味はあるけど、自分にもできるのかな?」
「英語もフランス語も苦手だけど、大丈夫?」
そんな疑問や不安にもお答えしつつ、現地での選択肢の幅広さやリアルな生活の一端も紹介していきます。
フランスでのワーホリを検討している方にとって、第一歩を踏み出すきっかけとなるような情報をお届けします。
1. フランスのワーキングホリデーとは?
仕事も勉強も旅も、自分らしいスタイルでフランス生活をデザインしよう
フランスのワーキングホリデービザは、働く・学ぶ・旅するといった複数の活動を自由に組み合わせることができる、非常に柔軟な制度です。観光ビザとは異なり、収入を得ながら長期滞在できるのが大きな特徴。ライフスタイルや目的に応じて、さまざまな可能性が広がっています。
● 働く:収入を得ながら、現地でのリアルな生活体験を
フランスでは、ワーキングホリデービザを使ってアルバイトや短期雇用に就くことが可能です。飲食店のホールスタッフやキッチン補助、ベビーシッター、日本語教師のアシスタント、観光業のサポートなど、日本人にとって馴染みやすい職種も豊富です。
もちろん、現地の言語スキルや経験によって仕事内容の幅は広がります。語学が得意な方であれば、カフェやブティックなどフランス人向けの職場にも挑戦できます。
● 学ぶ:語学学校や文化体験を通じて、フランス語と感性を磨く
滞在中は語学学校に通うこともでき、フランス語をゼロから学ぶには絶好のチャンス。1年の中で集中的に語学力を高める時期をつくることで、その後の仕事や人間関係も格段にスムーズになります。
また、語学以外にも料理教室やワイン講座、美術館でのアートイベントなど、フランス文化に触れる学びの機会も豊富。暮らしそのものが学びになるのも、ワーホリの魅力です。
● 旅する:国内もヨーロッパ諸国も気軽にアクセス
フランスは地理的にもヨーロッパの中心に位置しており、国内の地方都市はもちろん、イギリス・イタリア・スペイン・ドイツといった近隣諸国にも電車やバス、格安航空(LCC)で気軽にアクセス可能です。
週末や連休を使ってプチ旅行を楽しむのも定番で、フランス滞在中に10カ国以上旅したという人も珍しくありません。ワーホリの1年間は、自分の視野をぐっと広げるチャンスでもあります。
2. ワーキングホリデービザの基礎情報(2025年版)
1年間のフランス滞在を実現する、自由度の高いビザ制度
フランスのワーキングホリデービザ(Visa Vacances-Travail、ヴィザ・ヴァカンセ=トラヴァイユ)は、日本とフランスの二国間協定に基づいて設けられた特別なビザです。18〜30歳の日本国籍者を対象に、フランス国内で最長1年間、就労・就学・観光を自由に行える滞在資格が得られます。
申請手続きは日本国内で完結することができ、フランス語のスキルが不要なのも特長の一つです。以下に、ビザの取得に必要な条件や注意点を詳しくまとめました。
■ ビザ申請の基本条件(2025年現在)
申請時に以下の条件を満たしている必要があります:
- 年齢:申請時点で18歳以上31歳未満であること(31歳の誕生日の前日まで申請が可能)
- 国籍:日本国籍を有していること
- 子連れ不可:被扶養者(配偶者・子どもなど)が同伴しないこと
- 健康状態:健康であること
- 犯罪歴:重大な前科がないこと
- パスポート:有効期限が1年以上残っているもの
- 滞在計画:滞在中の活動内容をまとめた「滞在計画書」が必要
- 経済的証明:生活費として最低約30万円以上の預金証明
- 保険加入:1年間有効な海外旅行保険への加入証明
- 航空券:往復航空券または帰国費用を支払える証明
- 初回:フランスへのワーキングホリデービザを過去に取得していないこと
- その他:フランスを知るための渡航で、なおかつ仕事に就く意思があること。
■ ビザの有効期間と制限事項
- 有効期間:発給日から最長12か月間(延長不可)
- 就労:フルタイムでの就労が可能。ただし、長期雇用契約や正社員採用は対象外の場合が多い
- 就学:語学学校などへの通学も可能(週に数時間〜フルタイムまで自由)
- 更新・切り替え不可:原則、現地での学生ビザや就労ビザへの切り替えは不可。1年後には出国が必要です
■ フランスワーホリ特有の注意点
他国と比べて、フランスのワーキングホリデービザには以下のような特徴的なルールがあります。
- 申請は完全予約制:ビザ申請のためにはフランス大使館・領事館での予約が必須(時期によって混雑)
- 日本からの申請が原則:現在は原則として日本国内での申請・発給のみ。渡航後に変更不可
- ビザ発給までに1か月以上かかることも:渡航予定日から逆算して、早めの準備が必要です
■ よくある誤解と現実
「現地で仕事を見つければ、滞在を延長できるのでは?」
→ いいえ。 フランスではワーキングホリデービザから他の滞在資格への切り替えが原則認められていません。現地で就職が決まっても、日本に帰って新たにビザを取り直す必要があります。
「ワーホリ制度は誰でも使える?」
→ ビザ申請の条件を満たしていても、滞在目的や計画内容によっては却下されることもあります。しっかりとした目的意識と計画書の作成がポイントです。
「フランス語が話せないと申請できないのでは?」
→ 語学力は必須ではありません。 ワーキングホリデービザの申請にはフランス語のスキル証明は不要です。ただし、現地での仕事探しや生活の中で、ある程度の語学力があると安心なのは事実です。
語学に不安があっても、渡航前に少しずつ準備を進めれば問題ありませんし、現地で学びながら生活に慣れていく人も多くいます。初級レベルからスタートして、自信をつけていったという人も多いので、「話せないから無理」と諦める必要はありません。
「高学歴じゃないとビザがもらえない?」
→ いいえ。学歴は問われません。 ワーキングホリデービザは学歴不問で、誰にでもチャンスがある制度です。求められるのは、「なぜフランスに行きたいのか」「どう過ごすつもりか」という明確な動機と計画です。
履歴書の内容よりも、あなたの意思と準備の姿勢が大切にされます。
「年齢制限ギリギリだと不利?」
→ 全く問題ありません。 申請時に30歳以下であれば、31歳の誕生日の前日でも申請は可能です。年齢で迷うより、「今、自分がどう過ごしたいか」を軸に考えるのがおすすめです。
実際に「今しかない」と決断して、29〜30歳で出発する「ギリホリ」経験者も少なくありません。社会人経験や人生の目標が明確になった上で渡航するため、フランス滞在中も目的意識を持って過ごしている人が多い印象です。
■ 最新の情報は必ず公式サイトで確認を
ビザの制度や必要書類、申請の流れは年によって変更される可能性があります。このページでは2025年時点の最新情報をもとに解説していますが、申請前には必ず、在日フランス大使館の公式ホームページをチェックしてください。
特に、必要書類のフォーマットや予約方法などは告知なく変更されることもあるため、最新の公式情報が最も信頼できます。
フランスのワーキングホリデービザは、自由度が高く、ライフスタイルに合わせて多様な選択ができる素晴らしい制度ですが、申請から渡航までには事前準備と計画力が不可欠です。次の章では、フランスという国そのものの魅力や、現地生活で感じやすいギャップについてご紹介します。
3. フランスってどんな国?〜魅力とリアル〜
「フランスに住んでみたい!」と思うきっかけは、人それぞれ。でも、いざワーホリを考えると、「実際に暮らすってどういうこと?」「旅行とは違うのかな?」と、イメージと現実のギャップに不安を感じることもあるかもしれません。
この章では、フランスの魅力はもちろん、気になるポイントや実際の生活に影響する点まで、体験ベースも交えてご紹介します。
■ 魅力的なポイント
旅行だけでは味わえない、住んでこそわかるフランスの魅力。
- 世界一の観光大国 外国からの観光客数が世界一のフランス。フランス観光開発機構(Atout France)によると、2024年には1億人以上の国際観光客を受け入れ、観光目的地として世界第1位にランクされています。(リンク) エッフェル塔、モン・サン・ミッシェル、ヴェルサイユ宮殿など、有名な観光地が全国に点在しています。街ごとに文化や雰囲気が異なり、国内旅行だけでも1年では足りないほど。住みながら多様な地域を楽しめるのは大きな魅力です。
- 美しい街並みと洗練された暮らし 石畳の通りや歴史ある建物、おしゃれなブティック、カフェ文化など、日常に「絵になる風景」が溢れています。季節ごとの街の表情も魅力で、ただ歩くだけでもインスピレーションを感じられる場所です。
- 芸術・文化の宝庫 美術館や音楽、映画、演劇、ファッション…。芸術が日常の中に溶け込んでいる国です。芸術が好きな人にとっては、刺激の多い毎日になるでしょう。本物がすぐそこにありますから。
- 本場の食文化を堪能できる バゲット、クロワッサン、チーズ、ワイン、スイーツ…。フランスの食はただ美味しいだけでなく、日々の生活に深く根付いた文化でもあります。毎日のスーパーや市場ですらワクワクするほど。地方ごとに特色があり、食の旅も楽しめます。
- 自由な個人主義と人間関係 「自分の人生を自分らしく生きる」「他人と違ってもいい」という価値観が根付いており、年齢や職業に縛られない人間関係が築けるのも魅力。他人の目を気にせず挑戦できる雰囲気があります。肩の力を抜いて、人と自然体で関われるのが心地よいという声も多いです。
- 気候が比較的乾燥していて過ごしやすい 地域差はあるものの、フランスは湿度が日本より低く、カラッとした気候。夏も日陰にいれば過ごしやすく、冬は寒くても空気が澄んでいて快適。気候のストレスが少なく、思わず日光浴をしたくなるほど。
- 日本好きな人が多い フランスにはアニメやマンガ、和食、折り紙、武道など、日本文化への関心が高い人が多くいます。日本語を少し話せる人に出会うことも。「日本人」というだけで興味を持ってくれることも多いため、会話のきっかけは生まれやすいです。
- ヨーロッパ各国への旅行がしやすい フランスはヨーロッパの中心に位置し、イギリス・スペイン・イタリア・ドイツ・スイスなど、近隣の国々へアクセスできます。気軽に電車やバス、飛行機で旅行できます。格安航空(LCC)や高速鉄道(TGV)を使えば、週末旅行も現実的。旅好きにはたまらない環境です。シェンゲン協定国内ならパスポートなしで行けるのも魅力的です。
■ 気になる点・デメリット
「理想」と「現実」は違うからこそ、事前に知っておきたい。
- 物価・家賃が高い パリや南仏など、場所によっては家賃が非常に高く、ワーホリ中の家探しはハードルになりやすいです。地方都市やルームシェア、住み込みの仕事を選ぶなどで工夫が必要になります。
- 英語が通じない場面も多い 観光地では英語が通じることもありますが、日常生活ではフランス語が必須になる場面が多数。とりわけ、仕事探しにおいてはフランス語を話せることが条件になる場合も多数。不安がある人は、渡航前から少しずつ準備しておくのがおすすめです。
- 手続きや対応が遅い・複雑 役所関係や書類提出など、お役所的な手続きがとにかく時間がかかるというのはフランスあるある。忍耐力や寛容さが試されることもあります。
- デモやストが多い フランスでは社会的な抗議活動が日常的にあり、交通機関のストライキも珍しくありません。ニュースをチェックして、予定を柔軟に調整できる心構えが必要です。
■ 滞在先の参考に:フランスの主要都市紹介
フランスはパリだけじゃない。暮らしやすさや目的で都市を選ぼう。
- パリ(Paris):言わずと知れた首都で、文化・経済・芸術の中心。語学学校や仕事の選択肢も多い反面、家賃が高く、競争も激しい。短期滞在や初期拠点に向いています。
- リヨン(Lyon):フランス第3の都市であり、美食の街として有名。パリより落ち着いた雰囲気で、規模も大きすぎず、暮らしやすいと感じる人が多いです。学生も多く、語学学校も充実。
- ニース(Nice):南仏のリゾート都市。温暖な気候、海の近くの暮らし、美しい街並みが魅力。観光業やサービス業の仕事が多く、英語やイタリア語が通じやすい地域でもあります。
- トゥール(Tours):フランス語の「標準語」が話されるとされる街。治安が良く、物価も比較的抑えめで、語学留学や落ち着いた生活を送りたい人におすすめ。
4. ワーホリ中の過ごし方いろいろ
語学・旅・芸術・仕事——フランスで広がる、自分だけの1年
ワーキングホリデーの魅力は、「自由度の高さ」にあります。
語学を学ぶもよし、旅をするもよし、働いてみるもよし。日本ではなかなかできなかった挑戦や、自分の「好き」を深めるチャンスがたくさんあります。
ここでは、フランスでの1年間をどのように過ごせるか、いくつかの視点からご紹介します。
■ 語学を学ぶ
「フランス語ができないから…」と心配している人にこそ、体験してほしい
- 語学学校に通う 最初の数ヶ月は語学学校に通い、基礎からしっかり学ぶ人が多いです。クラスには他の国から来た学生も多く、英語・フランス語を使いながらの多国籍な環境が刺激になります。
- 日常生活が“生きた教科書”に 買い物、郵便局、友達との会話…すべてが学びの場。最初は通じなかった言葉が、ふとした瞬間に伝わるようになったときの喜びはひとしおです。
- 独学+実践のバランスが大切 文法や単語の勉強と、実際の会話やリスニング。両方をバランスよく積み重ねていくことで、「使える語学力」が自然と身についていきます。
■ 旅を楽しむ
フランスを起点に、視野が世界に広がる
- 国内旅行の充実感 北と南、都市と田舎ではまったく違う顔を見せてくれるフランス。小さな村を巡るのも、大都市でアートやショッピングを楽しむのもどちらも刺激的です。
- ヨーロッパ周遊も夢じゃない 週末にスペインへ1泊、長期休みにイギリス・ドイツ・ポルトガルへ…。格安航空(LCC)や高速鉄道を使えば、日本では考えられなかった気軽なヨーロッパ旅行も現実になります。
- 旅先での出会いが宝物に 旅先のホステルやマーケットでの会話が、**人生を変えるきっかけになることも。**自由な時間が多いワーホリだからこそ、直感のままに動く旅ができます。
■ 芸術・料理・カルチャーに触れる
本場だからこそ感じる、“好き”の深まり
- 料理・製菓を学びたい人に人気の国 料理学校やワークショップに通って、本場のフランス料理やお菓子を学ぶことも可能。観光だけでは味わえない、フランス文化の“中の人”になれるチャンスです。
- アート・デザインの刺激があふれる 美術館巡り、ギャラリーイベント、映画館でのシネマ鑑賞…、芸術が日常にある暮らしは、創作意欲を刺激してくれます。趣味として楽しむ人も、将来の道として掘り下げる人もいます。
- 文化交流イベントも豊富 語学学校や市民センターでは、文化交流パーティーやフランス家庭訪問、料理教室などのイベントが行われており、現地の人との自然な交流の場にもなります。
■ 働く・社会に触れる
「生活のため」だけじゃない、成長の場としての仕事
- 日系レストランでの仕事 パリやリヨンなど都市部では、日本人が働いている日本食レストランの仕事も見つけやすく、フランス語をあまり話せない人でも働きやすい環境があります。また、仕事を通して語学力アップにも期待できます。
- ローカルの仕事に挑戦 ある程度フランス語が話せたら、現地のカフェやブティック、イベントスタッフなどにも挑戦可能。より深い人間関係や社会の仕組みに触れる体験ができます。
- フリーランスで働く人も スキルがあれば、Webデザインや翻訳、動画編集などの仕事をリモートで続ける人も。フランスでもネット環境は整っており、フランスでの日常を送りながら場所に縛られない働き方をすることも可能です。
■ 人との交流から広がる世界
一人で来たはずが、一人じゃなくなっていく
- 多国籍の友人たちとの出会い 語学学校、仕事先、カフェ・バー…。国籍も年齢も違う仲間との出会いは、自分の常識を大きく揺さぶってくれます。
- フランス人とのつながり 地元の人と打ち解けるには少し時間がかかるかもしれません。でも、一度心を開いてくれるととても親切であたたかい人が多いというのもフランスの特徴。言葉を超えて伝わる思いやりに、心が救われる瞬間もあります。
- 自分自身との対話の時間 言葉も文化も違う環境で、自分と向き合う時間が増えるという声も。「本当にやりたかったこと」「心地よい人間関係」に気づくきっかけになることもあります。
「何をしてもいい」からこそ、自分らしい過ごし方を模索する時間になるのが、フランス・ワーホリの1年。
次章では、実際にフランスでどんな仕事ができるのか?必要な語学力や時給の目安など、現実的な選択肢としての「働く」にフォーカスしていきます。
5. フランスでできる仕事と求められる語学力
「どんな仕事ができる?」「語学力が不安…」そんな疑問に答えます。
フランスのワーキングホリデーでは、働き方の自由度が高い一方で、語学力やエリアによって選べる仕事の幅が変わってくるのが現実です。
この章では、実際に見つけやすい仕事、語学力の目安、収入の目安などを具体的に解説していきます。
■ どんな仕事がある?代表的な職種と特徴
◎ 日本食レストラン・食料品店
- 語学力初級〜中級(初心者〜B1程度)
- 求人が多く、初心者のハードルが低い
- 給与は最低賃金〜最低賃金+α程度
日本食ブームが続くフランスでは、日本食レストランや日本食スーパー、テイクアウト専門店の求人が多くあります。
厨房補助、レジ、サービススタッフなど職種は多岐にわたります。実際に現地で働いている日本人も多く、日本語が通じる環境も多いため、語学力に不安がある人にとっては安心な選択肢です。また、まかない付きの職場も多く、食事にかかる出費を減らせます。
◎ ローカルのカフェ・ブティック・ホテルなど
- 中級以上の語学力が必要(最低でもB1程度)
- 接客経験があれば強みになる
- 給与は最低賃金〜やや高め
フランス語での接客が求められるため、ある程度の会話力が必要です。
とはいえ、現地のお客さんと自然にフランス語で会話できる環境は、語学の実践には最適。 やりがいも大きく、働きながら学びたい人に人気です。
◎ ベビーシッター(オペア含む)
- 家庭によって語学レベルの条件は異なる(日本語や英語がOKの場合も)
- 食事付き・住み込みが多い=生活費を節約できる
- 子どもと接することが好きな人に向いている
「オペア(Au pair)」と呼ばれる住み込みのベビーシッターは、フランス人家庭に入り、子どもの送り迎えや簡単な家事を手伝う仕事。
家庭により日本語や英語がOKのケースもあり、語学力に自信がない人でも挑戦しやすい選択肢です。
◎ フリーランス(Web・翻訳・クリエイティブ系)
- フランス語不要、スキル重視
- 日本のクライアントとの仕事を継続する人も
- ワーホリのビザでも合法で働ける
Webデザイン、ライティング、動画編集、通訳などのオンラインで完結できる仕事を、フリーランスとして続ける人もいます。
ノマド的な生活をしながら、滞在中の収入源を確保できるスタイルとして人気が高まっています。また、フランス国内からの案件を獲得すれば、ユーロで稼ぎ、新たなビザを申請することも可能です。
■ 語学力と仕事内容の目安
フランス語レベル | できる仕事の例 | ポイント |
---|---|---|
初心者(A1未満) | 日系飲食店のキッチン、清掃、オンライン業務など | 日本語中心の環境。語学力は現地で伸ばす前提。 |
初級〜中級(A2) | 日系店舗の接客、軽い現地接客、オペア(日本語・英語家庭) | シンプルな会話ができると、ぐっと選択肢が広がる。 |
中級以上(B1〜) | 現地カフェ、ホテル、販売職、現地の事務職 | ある程度の会話力・理解力が必要。ローカルに近づく感覚。 |
上級(B2〜) | 接客・専門職・就職的ポジション | ネイティブと対等に仕事ができるレベル。ワーホリの枠を超える経験も可能。 |
※実際の仕事では、「やる気」と「現場での柔軟性」も大切な要素です。
■ 時給と収入の目安(2025年時点)
- フランスの最低賃金(SMIC):約11.88ユーロ(2025年目安、額面)
- 飲食店などでのアルバイト:時給11〜13ユーロ前後(額面)
- フリーランス案件(日本円払い):案件ごとに幅あり(時給換算で1,500〜3,000円台も)
フルタイムで働くことも可能ですが、ワーホリは「就労ビザ」ではないため、“生活費をある程度補える”程度の労働と考えるのが現実的です。
■ 語学力がなくても、仕事は見つかる?
結論:見つかります。が、選択肢は限られるので準備が大切です。
「フランス語ゼロでも働ける」という声もありますが、それは日本人が多い都市、日系のお店に限られるケースがほとんど。
仕事の幅を広げたいなら、渡航前から少しずつでもフランス語を学んでおくのが大きな武器になります。
■ 実際の声:最初は不安でも、行動すれば道は開ける
・「語学力に自信がなかったけど、勇気を出してレジュメを配り歩いたら仕事が見つかった」
・「語学学校とバイトを並行しながら、生活もフランス語力も少しずつ安定してきた」
・「お客さんとの会話がきっかけで、日常の語彙が急に伸びた!」
初めは「聞き取れない・話せない」が当たり前。でも、フランスで働くという経験は、語学力以上の学びと成長を与えてくれます。
6. フランス・ワーホリにかかる費用と収入
ワーホリの夢、叶えるにはいくらかかる?費用のリアルを解説!
ワーキングホリデーに行くとき、多くの人が気になるのが「お金」。
特にフランスは物価が高めな印象もあり、「1年間でどれくらい必要?」「働きながら生活できる?」と不安になる方も多いと思います。
この章では、渡航前〜現地生活までにかかる費用と、アルバイトでどのくらい稼げるかの目安を、できるだけリアルに紹介していきます。
■ 渡航前にかかる主な費用(目安)
項目 | 費用の目安(ユーロ換算) | 備考 |
---|---|---|
航空券(往復) | 約20万〜32万円 | 時期・予約タイミングで変動。片道でもOKだがリスクあり。 |
海外旅行保険(1年間) | 約13万〜20万円 | ワーホリ中は加入必須。保証内容に注意。 |
語学学校(3か月) | 約15万〜31万円 | 入学金・教材費含む。選ばなければもっと安い学校も。 |
ビザ申請料・書類取得費 | 約1.7万〜3.4万円 | 戸籍謄本の翻訳、パスポート申請など含む。 |
渡航準備品(スーツケース、変換プラグ等) | 約1万〜5万円 | 初期投資として準備しておくと安心。 |
合計:約50万〜90万円
※ユーロ換算レート:1ユーロ=172円前後で計算(2025年時点目安)
■ 渡航後の月々の生活費(パリの場合)
項目 | 月額の目安 | 備考 |
---|---|---|
家賃 | 約8万〜16万円 | パリ中心部は高め。シェアや郊外で調整可能。 |
食費 | 約3万〜6万円 | 自炊がメインなら節約可。 |
交通費 | 約1.5万円 | Navigoカード(定期券)利用時。 |
通信費・携帯代 | 約3,000円 | Freeなど格安通信会社あり。 |
その他(交際費、日用品など) | 約1万〜5万円 | 人付き合いや趣味で上下あり。 |
月額合計:約15万〜30万円
都市部(特にパリ)は家賃が高く、生活費全体も上がります。
地方都市に住めば、月7〜10万円台に抑えることも可能です。
■ アルバイト収入の目安
- 2025年の最低時給(SMIC):11.88ユーロ(約2,050円)
- 月100時間(週25時間)働いた場合:約1,188ユーロ(約20万円)
- 月160時間(週40時間)働いた場合:約1,900ユーロ(約32万円)
→実際には、生活費をカバーする程度の働き方をしている人が多い。
学業・旅行・交流とのバランスを取りながら、「貯金を切り崩しすぎずに1年過ごす」という感覚が一般的です。
■ 節約のコツ
- 家はシェアハウスや学生寮を活用
- レストランではなく自炊中心にし、食材はマルシェや冷凍食品、まとめ買い
- 通信費はFreeなどの格安SIMにする
- 語学学校はキャンペーンを狙って申し込み
■ 実際にいくら用意しておけば安心?
- 最低限ライン:65〜85万円(節約&現地バイト前提)
- 安心ライン:100〜130万円(最初の数か月は無収入でもOK)
完全に現地で稼ぎながら生活できる人もいれば、思うように仕事が見つからない時期もあります。
そのため、渡航時に「生活資金3か月分+緊急費用」は準備しておくのがベターです。
7. ワーホリに向けた準備
- ビザ申請の流れと期間の目安
- 銀行口座の開設方法と所要時間
- 渡航時の持ち物チェックリスト(別記事でもリンク可能)
まずは全体の流れを把握して、無理のないスケジュールを組もう。
フランスでのワーキングホリデー生活に憧れはあっても、「具体的に何から始めればいいの?」「どれくらい前から動けば間に合うの?」と不安に思う人は少なくないはず。
ビザ申請、語学、貯金、航空券の手配…やることが多く感じるかもしれませんが、全体の流れとスケジュール感をつかんでおけば大丈夫です。
ここでは、ワーホリを現実のものにするために必要な準備の流れと、おおまかなタイムラインを紹介します。
「いつか行きたい」ではなく、「行けるかもしれない」「行ってみようかな」と思える一歩になりますように。
■ ワーホリ準備の基本的な流れ
フランスのワーキングホリデーを成功させるには、「何を、いつまでに、どの順番でやるか」を把握しておくことが大切です。
以下は、出発までにやるべき主なステップの一覧です。
■ 準備の主なステップ
- 行きたい時期・都市・目的を決める
- 語学や貯金などの下準備を始める
- ビザ申請に必要な情報を集める
- 履歴書や計画書などの書類を作る
- 航空券や最初の宿泊先を予約し、具体的なスケジュールを決める
- フランス大使館でビザを申請する
- ビザ取得後、住居の手配や語学学校・仕事探しを始める
- 荷物を準備し、いざ出発!
■ スケジュール感(目安)
出発の3〜6か月前からの準備が理想的です。
ギリギリになると、書類の不備や面接予約の遅れで渡航がずれ込むこともあるので、早めの行動がカギです。
時期(目安) | やること |
---|---|
今すぐ | 語学学習スタート/貯金計画/パスポート確認 |
渡航6か月前〜 | 出発時期・滞在都市を検討/語学学校調査/航空券・保険の相場チェック |
渡航3〜5か月前 | ビザ取得要件の確認/履歴書や計画書の作成開始/ビザ申請予約/航空券・保険の手配など |
渡航2〜3か月前 | ビザ申請 |
渡航1〜2か月前 | ビザ取得/語学学校や仕事探し/荷造りや手続きなど出発準備 |
■ 詳細な準備情報はこちらから
ビザの申請方法や必要書類、書類の書き方などについては、以下の専用ページで詳しく解説しています:
→ フランス・ワーホリビザ申請ガイド(準備・必要書類・申請書の書き方)
おわりに 〜フランス・ワーキングホリデーの魅力と可能性〜
フランスのワーキングホリデーは、単なる海外滞在ではなく、「暮らすように旅をする」特別な1年間です。語学を学び、人と出会い、働きながらフランスという国の内側に触れる体験は、人生の視野をぐっと広げてくれるはずです。
もちろん、準備や手続き、語学や費用の不安もあるかもしれません。ですが、それ以上に得られるものは大きく、「やってよかった」と思える瞬間が必ずあります。
年齢やフランス語力にとらわれすぎず、自分のペースで少しずつ準備を進めてみてください。このページが、そんな一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
このサイトでは、実際のビザ申請方法や、リアルな体験談も紹介しています。
夢に見たフランス生活が、あなたにとって“現実”になりますように。